はじめに
全ての教科は国語からできています。
文字が読めない。漢字が読めない。書いてある言葉は読めるけどその言葉の意味がわからない。文章を読み解けない。
だいたい、これらをみなさんは『読解力が無いんです』と言葉に表すと思います。
国語ができないと国語以外の全ての教科にも影響が出てきます。
先日、小学3年生の生徒が学校でやった算数の問題を持ってきてくれました。
中を確認してみると下のような問題がありましたので、意識していなかったお母様
是非!、今の小学低学年の算数をしっかり目にしてください。
では、まいりましょう。
大問1
まぁ、見慣れた計算問題です。
ですが、ただの計算問題はこの2問のみです。
残りは全て文章読解の問題です。
なので、読み解けない子はこの問題以降が全て苦痛となります。
大問1(3)
5-0.4はできる子も多いでしょう。
それをこのように計算の解き方を文章にされます。
答えを求めるのではなく、解き方を問われます。
大問1(1)
24+6はできる子も多いでしょう。
今回はこの式になる問題を探し出さなければなりません。
ということは、1~4の文章を読んで、どれが足し算の問題になるのか理解する必要があります。
大問2(2)
時間の問題です。
乗った時刻から降りた時刻
降りた時刻から乗った時刻
乗った時刻から降りた時刻
どこからどこまで乗った
どこに停まっていた
どこからこどまで乗った
が理解できないとこの問題は解けません。
大問2(3)
小数点と分数の問題です。
0.4は0.1がいくつあるのか
10ぶんの9はいくつにわけたいくつなのか
問題に出ている数直線は10個のメモリがついているが1メモリいくつなのか
が理解できていないとこの問題は解けません。
大問2(4)
この問題は、頭で物の大きさがイメージできるかどうかです。
ものさしを使って1~4まで全てはかることはできるとは思いますが
現実的に考えてものさしはどれをはかるのに適しているか、わかるかどうかの問題です。
もう、読む体力がない方は読むのがしんどいですよね。
でも問題はまだまだ続きます。
では、まいります。
大問3(1)
今までの算数や数学は『学校でやったことは大人になってからは使わない』といった考え方でしたが、指導要領が変わり、大人になっても使える算数や数学を学ぶようになりました。
そのため、このような物干しスタンドのような問題が出てくるようになります。
図2は見ただけでわかる二等辺三角形です。
ですが、答えの二等辺三角形は書かれているので二等辺三角形の合同条件を㋐の中に答えないといけません。
大問3(2)
折り畳み式の物干しスタンドとパラソル型の物干しスタンドをベランダに置くには
どの大きさまでか
また、どんな物を干したいから最低いくつの長さが必要なのか
が問われています。
しかも、これだけ読み解いてたったの1問です。
大問4(1)
これは読めばわかる問題ですが、普段読む癖がついていない子は『2番目』と書かれていることを見逃して『1番目』を書いて×になりがちな問題です。
(2)
何と何が比較されて
何の方がどれだけ違うのかがわかれば解ける問題です。
大問4(3)
この問題は前にやった問題のグラフと今回のグラフを見て答える問題です。
まことさんが言っていることは正しいか正しくないかを答える問題です。
しかも、答え方は『○○だから正しい』または『○○だから正しくない』と答えないといけないので
当てずっぽうに答えても×となります。
大問5(1)
問題を読んで答えを出すのではなく
問題を読んで高さを求める式を書く問題です。
なので答えを書いても×となり、式を書いたら〇となる問題です。
これも、ちゃんと読まないと引っかかる問題ですね。
大問5(2)
答えはわかっているのに、たくまさんがどのような考えで答えを出したのかを見つける問題です。
これも、『かける数』という言葉と『かけられる数』という言葉が理解できて
かけ算のルールが理解できていないと答えを見つけ出すことはできません。
大問5(3)
先ほどの問題までは㋐の観客席での話でしたがこの問題は㋑の観客席での問題となります。
この問題は、前の問題のたくまさんの考え方と同じ考え方で、言葉にして式を作らなければ正解にはなりません。
これで以上となります。
このように、私たち大人が数十年前に小学生や中学生で習った指導要領とは全く違うことにまずは気付いてほしいと思います。
そろばんはしっかり勉強して計算問題の解く速度はクラス1位!しかも難しい解き方の計算もできる!
でも、文章問題になると1問も解けない!といった内容で転塾される生徒もだんだん増えてまいりました。
昔からある言葉で「よみかきそろばん」といった言葉を聞いたことがあります。
まさに
①読み
②書き
③そろばん
なんですね。
読めて、書けて、計算ができる順番がいいんですね。
計算だけできているようでは、これからの小学生、中学生は通用しないことが目に見えてわかりました。
うちの子はまだ大丈夫。。。
は、もう大丈夫じゃない可能性があります。
なぜなら、心配がない子には「大丈夫?」と声をかけませんからね。
しんどそうな人に「大丈夫?」と声をかけますが
元気モリモリな人に「大丈夫?」と声はかけませんよね。
大丈夫じゃないから「大丈夫?」と声をかけます。
その、「声かけ」が1つの塾を探し始める目安になるのかもしれません。
今回は小学3年生が持ってきた算数プリントの紹介でした。
このプリントを見ると小学生低学年のうちから読解力と思考力を身につける勉強が必要ですね。
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